ゴミ屋敷、水漏れそして火災。この三つのキーワードはそれぞれが独立した問題でありながら時に互いに結びつき最悪の悲劇を引き起こす恐ろしい「負のトライアングル」を形成します。特に「水漏れ」はゴミ屋敷における「火災」のリスクを目に見えない形で飛躍的に高める極めて危険な触媒となるのです。なぜ水漏れが火災に繋がるのでしょうか。その最も代表的な原因が「漏電」です。ゴミ屋敷の内部では延長コードや古い家電製品の電源コードがゴミの山の中に無造作に埋もれていることが少なくありません。水漏れによってこれらの電気配線が水に濡れると絶縁が破壊され電気が漏れ出す「漏電」が発生します。この漏電が近くにある可燃物、例えば湿った衣類や紙類などに火花を散らしそこから発火するのです。またコンセントやテーブルタップに水が直接かかることも非常に危険です。内部でショートが起こり爆発的に発火する可能性があります。ゴミ屋敷ではこうした電気設備がホコリやゴミで覆われているため漏電やショートが起きやすい最悪の環境が整っています。さらに水漏れは「ネズミ」の活動を活発化させるという側面もあります。ネズミは水を求めて集まる習性があり湿ったゴミ屋敷は彼らにとって格好の住処となります。そしてこのネズミが巣作りのために壁の中の電気配線をかじり被覆を剥がしてしまうことがあるのです。この配線の損傷が漏電やショートを引き起こし壁の内部など目に見えない場所で火災を発生させる原因となります。水は火を消すもの。しかしこと電気火災に関しては水はむしろ電気を通し危険性を増大させる導火線となり得ます。ゴミ屋敷という可燃物のジャングルの中で水漏れという見えない導火線が電気という火種に触れる。その時防ぐことのできない大惨事が引き起こされるのです。ゴミ屋敷における水漏れは単なる水の問題ではない。それは常に火災という最悪の結末と隣り合わせにある極めて危険な兆候なのです。
ゴミ屋敷の水漏れ!火災との危険な関係