汚部屋の状態から脱出しようと決意したとき、最初に突き当たる壁は、一体どれほどの時間を費やせば元の清潔な空間を取り戻せるのかという予測の難しさである。多くの人が、数時間もあれば終わるだろうという甘い見通しを立てて作業を開始し、途中で終わりの見えないゴミの山に絶望して挫折してしまう。一般的に、床が見えないほど物が散乱している、いわゆる汚部屋の片付けにかかる時間は、部屋の広さだけでなく、物の密度と「捨てる判断」の速さに大きく依存する。一人暮らしの六畳一間のワンルームであっても、足の踏み場がない状態であれば、最低でも十時間から十五時間は覚悟しなければならない。これは単にゴミを袋に詰める作業時間だけでなく、必要な書類や貴重品を仕分け、溜まりに溜まった埃を拭き取り、最終的に自治体のゴミ収集ルールに合わせて分別するまでの工程を含んだ数字である。もし、天井近くまでゴミが積み上がっているような深刻なレベルであれば、一日の作業では到底終わらず、数週間にわたって週末をすべて返上することになるだろう。時間を短縮するための最大のコツは、最初に「何を捨てるか」という基準を機械的に決めてしまうことにある。迷う時間が長ければ長いほど、作業効率は加速度的に低下するからだ。また、一気に部屋全体を片付けようとせず、今日は玄関だけ、明日はユニットバスの入り口だけといったように、狭い範囲を確実に終わらせていくスモールステップの手法を採ることで、視覚的な達成感を得やすくなり、結果としてモチベーションを維持しながら最短時間での完結を目指すことができる。さらに、重い腰を上げるための工夫として、タイマーを十五分にセットしてその間だけは脇目も振らずに作業するという集中法も有効である。汚部屋の片付けは肉体労働であると同時に、膨大な選択を繰り返す精神的な持久戦でもある。時間を味方につけるためには、まず現状を客観的に把握し、自分の処理能力を超えない範囲で計画を立て、効率的な動線を確保することが何よりも重要となるのである。
汚部屋の片付けに必要な時間の目安と短縮のコツ