ゴミ屋敷と化した部屋でエアコンを使用し続けることは、単に部屋が冷えない、暖まらないという機能的な問題に留まらず、深刻な悪臭や健康被害の原因となり得ます。エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換を経て再び室内に送り出す機械であるため、周囲の環境が汚染されていれば、その汚染された空気を吸い込み、さらに悪化させた状態で放出することになります。ゴミ屋敷特有のホコリ、カビ、ダニの死骸やフン、そして生ゴミの腐敗臭などがエアコンのフィルターや内部に吸い込まれ、蓄積されていきます。これにより、フィルターは目詰まりを起こし、エアコン本来の性能を著しく低下させます。設定温度になかなか到達しなくなり、電気代だけが無駄にかさんでいくという経済的な損失も無視できません。さらに深刻なのは、エアコン内部に溜まったホコリや湿気がカビの温床となることです。カビは一度発生すると、エアコンの稼働と共にその胞子を部屋中にまき散らし、アレルギー症状や呼吸器系の疾患を引き起こす原因となります。また、エアコン内部に染み付いたゴミ屋敷特有の悪臭は、稼働するたびに部屋中に広がり、快適な生活空間を奪い去ります。これは、単に不快なだけでなく、精神的なストレスにも繋がり、住人の生活の質を著しく低下させる要因となるでしょう。ゴミ屋山に囲まれたエアコンは、本来の快適さを提供する機器ではなく、むしろ部屋の環境をさらに悪化させる元凶となってしまうのです。